YAS Person | Interview

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07 数値に裏づけられた技術+ 積み重ねられた経験が、匠の技となる

一台あたりにかかる時間を短縮
なるだけ動作の無駄を削ぐ工夫も

柴崎:数値に忠実な作業だけなら、ロボットにもできること。20年以上、毎日何台ものリビルトを行ってきた私たちにしかできない、長年の勘や知識を要することがたくさんありますよね。

P&A営業部ユニット課<br>メカニック 小林 洋一朗
P&A営業部ユニット課
メカニック 小林 洋一朗

小林:そうですね。たとえば、お客様から「リバースに入れたのにバックしなくなってしまった」「3速から2速になるときにガクンというショックがある」など、症状をきくだけで、トランスミッションのどこがおかしいのかを、特定することができます。構造がすべて頭の中にあって、トランスミッションと一心同体になっている感覚です。

安達:「音」の症状の場合もそう。たとえば、「このあたりから異音が鳴る」といって運ばれてくる部品も多くありますが、じつは「音」というのは原因がつかみづらいもの。音は数値化するのが難しく、修理が難しいのです。テストベンチでシュミレーションして音を再現し、音を聴いて勘を頼りに故障の原因を突き止め直しますが、そこは、経験と感覚。失敗や成功を繰り返してきたからこそできることだと思います。

P&A営業部ユニット課<br>メカニック 安達 裕一
P&A営業部ユニット課
メカニック 安達 裕一
ミッション内部
ミッション内部

小林:生産スピードを上げるためにも、経験が必要ですね。メルセデス・ベンツの世界の統一基準で、メカニックはトランスミッションのリビルトを一台あたり7時間以内に行うことが定められていますが、ユニット課のメンバーたちは、一台あたりおよそ3時間。メーカー基準のおよそ半分の時間で組み立てられるということです。一台あたりにかかる時間を短縮すれば、それだけ工賃も少なくなるので商品の値段も下がる。よって、お客様に満足していただけるわけですね。

桶田:生産スピードを上げるためにメカニックはそれぞれ時間短縮する工夫をしていますよね。たとえば、各自、作業台にはこだわりがあって、自分が使いやすいように、ツールを配置。作業の順番に並べている人もいれば、分類別に並べている人もいます。なるだけ動作の無駄を削げるよう配置を考えて作業環境をつくっているのですね。

ツール群
ツール群

柴崎:正直、ツールをとる動作だけでコンマ何秒と差が出るわけですから。ちょっとした工夫が大事になってきますね。手足の長さも体の稼働域も個人によって違いますしね。完成したものは同じでも、少しずつではありますがやり方が異なったりするので、そのあたりはそれぞれ工夫している点です。

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