全国大会当日はどのような雰囲気でしたか?
須郷:もう、それはそれは緊張しました。普段、人に見られながら作業することはないですからね。
仲山:それもたくさんの人がブースを取り囲んでいるので、もうその緊張感は半端ないです。
浅野:予選も含めて何度か経験していますけれど、毎回緊張して手が震えるんです。決勝の時も「どうせまた緊張するんやろなぁ」って思いながら臨んで。そしたら案の定、始まってすぐ、2~3分ぐらいは手が震えてまして。でも作業に集中してくると震えは収まる。毎回そのパターンです。
仲山:会場の雰囲気にのまれてしまうと自分の力を発揮できないので、できるだけ周りを見ないようにしてこれまでの成果を出そう、ということだけに集中しました。
競技中に苦労した点はありますか?
また、どのようなことに気を配って課題に取り組みましたか?
仲山:会場の幕張メッセは、大きな会場のなかにオープンの塗装ブースが設けてありました。明るさや空調、そして温度なども普段の環境とかなり違うので、慣れるのに苦労しました。時間だけはオーバーしないようにと、そのことは一番気をつけました。また、出題はフェンダーだったのですが、審査する時には寝かせた状態で審査をするので、寝かせた時にフラットにきれいに見えるような塗り方をするよう心掛けました。
須郷:私はもう本当にたくさんの人がいる時点で、入場の時から頭真っ白になってたんですけど(笑)。でもここにいる誰もが緊張しているものだと思って、それは受け入れよう、と。そして、緊張している中でも最大限力を発揮していいものに仕上げようと思いました。あと作業場は汚さないように、きれいにしながら作業を進めるよう心掛けました。
作業場をきれいにすることは評価につながるんでしょうか?
須郷:いえ、きれいにすること自体は評価につながらないんですけど、普段からそうしているので平常心を保つために。昔、僕が教えてもらった先輩が、「自分の手や作業場もきれいにできないやつはお客様の車もきれいにすることなんてできない」と口癖のように言っていたんです。その先輩の教えがずっと残っていて、普段の仕事もきれいに行うことを心がけているんです。
浅野さんは板金部門で2位、仲山さんは塗装部門で3位に輝きました。
結果を聞いたときの心境はいかがでしたか?
仲山:名前を呼ばれた時にはびっくりしました。競技が終わった時に、他の選手たちの仕上がりを見て自分が塗ったものがいいとは思わなかったので。でも、それと同時に、もう少し頑張れば手が届いたんじゃないかって想いもありました。
浅野:「あぁ、また負けた!」って思いました。2位もビリッケツも一緒。本当に悔しかったですね。
須郷:浅野さんは自分にきびしいなぁ、本当にストイックですね。
最後に、皆さんの今後の抱負を聞かせてください。
仲山:私をみて、次のBPグランプリに出ようとしている人もいると思います。その人たちにいろいろと教えていけたらいいと思いますし、私自身、まだまだ負けないように、追い越されないよう、努力していきたいと思います。
須郷:私は、今回は入賞することができず悔しい思いをしました。これからまだまだ経験が足りないと実感したこともありますので腕を上げられるように頑張っていきたいと思います。BPセンター福岡では年下なので、先輩方にいろいろなことを教えていただきながら、これから工場全体を盛り上げれるようにしていきたいです。
浅野:3回の出場でやるだけのことはやってきたこともあって、普段の仕事の姿勢も変わりましたし、本当にいい経験をさせていただいてきました。これからは自分が学んできたことを後輩に伝えて、僕の代わりに1位を獲ってもらえるよう指導者側に回りたいと思っています。
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※取材当初と役職、所属部署が変わっている場合があります。