YANASE The Bodyshop Network加盟工場技術大会2016
板金部門 第一位
北海道札幌市の中心街からほど近い場所にある株式会社ナイス。「販売と整備のプロ集団」として、自動車販売から板金・塗装、整備、車検に至るまで、幅広いサービスでカーライフをサポート。創業から30年、地域からの信頼は厚く、ナイスには日々、幅広い車種のクルマが多数入庫してくる。「YANASE The Bodyshop Network加盟工場技術大会2016」板金部門で第1位に輝いた宮本 修さんはメカニック歴25年近いキャリアの持ち主。普段のお仕事ぶりや大会出場の経緯を宮本さんご本人と同社社長の玉澤 洲策さんに伺った。
「YANASE The Bodyshop Network加盟工場技術大会2016」では宮本さんが板金部門での優勝、おめでとうございます。
大会後、周囲の人の反応はいかがですか? また、どのようなきっかけで出場されたのでしょうか。
宮本:ありがとうございます。社長はじめ、会社の上司や同僚からたくさんのねぎらいの言葉をいただきました。また、何よりも家族が喜んでくれたのは嬉しかったです。つねづね「子どもにとって誇れる親になりたい」ということを思っておりますので、これがひとつの布石となればと思います。こういう貴重な経験ができたこともこれまでお世話になった方々や、支えてくれた家族のおかげ。そもそもナイスに入社しなければ経験できなかったことですし、大会の結果発表で名前を呼ばれた時にはいろいろな人の顔が思い浮かびました。
玉澤:手前みそな話ですけれども、私は宮本くんの仕事ぶりをいつも見ていまして、本当に優秀なんです。とてもきれいな仕事をするんですよ。人前に出しても恥ずかしくない、むしろ彼の仕事ぶりを見てほしい。そんな想いで大会に送り出しました。彼の技術なら上位につけるだろうという自信はありました。
宮本:社長から「こういう大会があるから出てみないか」と言われた時には、正直、ちょっと腰が引けたんです。まだ若くて血気盛んな頃だったら「もちろん行きます」って二つ返事できたと思うんですけど、それなりに歳をとって経験を積んできたからこその不安というか…。人に見られて評価されるんでね。ちょっと怖かったのはあります。でも、結果はともあれ、自分がどこまで通用するか知りたかったし、まわりの人たちの技術も見ることができる。勉強がてら出てみよう、と。そんな想いで出場しました。
玉澤:輸入車で名の通ったヤナセさんのクオリティ、レベルの高いメカニックたちが出場する大会を、ヤナセさん主体で開催されるということで、これは出場するだけでも価値があると思いました。せっかく用意されたフィールドですから出ないともったいないと思いましたし、ほかの加盟店さんとのレベルの差を確かめたかった気持ちもあります。
11月6日の決勝戦当日は、どのような心境で臨みましたか?
宮本: 大会までにはとくに練習らしい練習はしませんでした。腕試しという気持ちだったので、とにかく普段通りの仕事をしよう、というスタンスで臨みました。ただ、普段の仕事を振り返るいい機会だと思って、業務上の反省点や改善点を見直す時間は作りました。大会を通じて、大会のためではなく、普段の業務の精度が上がればいいなという想いがありましたので。
玉澤:かなり緊張はしていたみたいですよ。
宮本:はい。なるべく平常心でいつも通りに、ということを意識していたんですが、やはりたくさんの人に見られている中で板金作業を行うということで緊張は避けられませんでした。あまりの緊張から手の感覚もおかしくなって、普段感じられることが感じられないような状態に…。でも、競技が始まって10分ぐらいしたら作業に集中してきて、もう周りのことは気にならなくなりましたね。
決勝戦の課題はいかがでしたか?難しかったですか?
宮本:板金部門の課題は、Mercedes-Benz A-Class(W176)をモデル車両に、フロントフェンダーの交換作業と、凹みの修復を行うことでした。フェンダーの素材がアルミニウム材だったのですが、じつは私は普段、鉄材を扱うことが多いので、アルミに関しては経験がなかったんです。でも、基本はやることは同じで、強度ややわらかさの違いを感じて、力加減や叩き方を変えるだけ。今までの感性というか経験でカバーしました。
玉澤:私自身、宮本くんの技術には自信がありましたからアルミでもやってのけることは確信していました。一点、競技には70分という制限時間がありましたから、時間内にきちんとできるかな、という不安はありましたけれども。
宮本:制限時間について、まわりの人のほうが焦っていたくらいで、私自身は「時間内に終わらせなきゃ」という思いはとくにありませんでした。それよりもただ、普段通りに仕事をしようと。時間をあまり気にしないで作業に集中した結果、早めに課題を仕上げることができ、最終的には身の回りの道具を全部片づける時間の確保ができました。
玉澤:先ほどもいいましたけれども、彼は本当にきれいな仕事をするんです。それは板金の仕上がりがとても正確できれい、ということはもちろんなんですけれど、「作業場の美化」という部分にとても気を配っています。彼の工具箱はまるでショールームのように工具がきっちりと整理整頓されて置かれていますし、車両の周囲はいつも必要最小限のものだけを置いてスッキリとした環境に整えられています。だからきっと、頭の中もいつもスッキリ整理されていて、その分、仕事も早いのだと思います。