コミネの工場には、フェラーリにベントレー、ロールスロイス…と、世界の錚々たるブランドのクルマが並んでいますね。これだけの高額車種の入庫を維持するということは、お客様からも厚い信頼を得ているからこそだと思います。小峰社長はこれまでBPの仕事に携わる中でどのようなことを大切にしてきましたか?
コミネに入庫してくるのは、月間およそ80~100台。車種でいうとフェラーリとベントレーでおよそ80%、ほかロールスロイス、マセラッティ、ポルシェなど、ほかの工場ではあまり扱わないような高額車種が多く入ってきます。それだけに、お客様のクルマに対する愛情は人一倍という方が多く、愛車のことを「この子」って呼ぶ人も多いんですよ。まるで我が子のようにね。ですから、我々修理する側も、愛情をもってお客様のクルマに接することを一番大切にしています。技術力はもちろん大事ですけれども、愛情を込めた取り扱い方が基本。クルマと対話するように接することで、仕上がりも変わってきますし、ミスや事故も起きなくなります。実際、コミネの従業員は皆、クルマの扱い方がよく、これまで社内事故が発生したことがありません。
どのようにして、高度な技術力をキープしたり、クオリティマネジメントを行っているのでしょうか。
よく、スピードを上げるとクオリティが下がるということをおっしゃる人がいますが、じつは職人の世界ではクオリティとスピードは比例関係にあって、塗装にしても板金にしても早い仕事は往々にしてきれい。手際のいい職人ほど、集中して“一発でキメる”意識を持ってやっていると思います。もちろん、プロとして、お客様のもとに早く納車することが第一。時間をかけることはお客様からの信頼を下げる原因になりかねませんし、なにもいいことがないですよね。
職人として、「ムダのない技」を提供しつづけることがコミネが目指すべきところ。「早く終わらせる」のではなく「手際よく」。ムダのない技で手際よく仕上げることで、1台あたりの作業時間は短くなり、それによって台数もこなせて、生産性も上がる。よって売上も上がり、お客様からの信頼も高くなります。そのように、「ムダのない技」はいい循環を生むのです。コミネの職人たちはそのようなプライドを持ってやっていると思います。
これからの抱負をお聞かせください。
目標は、全国のフェラーリがYASに集まるよう、一緒に盛り上げていくこと。YASの一員となって、なにがなんでも目標を達成しなければならない、成功しなければならないというプレッシャーも感じますが、これまで培ってきたプロの職人としての意識と、ムダのない技を継承していくことで、コミネは成長し続けられる自信があります。小さい土俵から大きな土俵で勝負できるようになりましたので、このようなチャンスをいただけたことに感謝して、社員たちとともに、思いっきり暴れたいですね。
【スタッフからのコメント】
BPセンター東大阪 塗装 係長 吉村卓也
BPセンター東大阪 板金 係長 藤原大輝
BPコントロールセンター アドバイザー係長 田中正志
大阪の外れにある小さな町工場がYASの一員になるなんて、はじめに聞いた時は、まさかと思いました。これまでは自分たちのなかだけで戦ってきましたが、大きな組織のなかに入ったことで心強さを感じています。一方で、同じグループ会社でも、良きライバル。グループの中でも負けないよう、コミネが恥をかかないよう、これまでより一層、技術力を磨き続けいかなければならないというプレッシャーも感じています。従業員一同、これからも職人として日々研鑽を怠らず、コミネとYASの発展に貢献していきたいと思います。
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※取材当初と役職、所属部署が変わっている場合があります。