ヤナセのアフターマーケットを支える重要な柱として「タイヤ営業部」というセクションがある。その歴史がスタートしたのは1974年。ヤナセがドイツのタイヤメーカーであるコンチネンタルの総輸入販売元となったことがきっかけだった。それから40年が経ち、現在ではコンチネンタルだけでなくミシュラン、ピレリ、ブリヂストン、ダンロップなど国内外の主要メーカーのタイヤをマルチで取り扱う部門へと進化している。今回ご紹介するのはYASタイヤ営業部に所属する3名の“タイヤのスペシャリスト”たち。ヤナセならではのタイヤ販売への取り組みやこだわりについて伺った。
コンチネンタルタイヤの総輸入販売元として
タイヤ販売事業をスタートし40周年
浅谷:私たちタイヤ営業部では、コンチネンタルを中心にミシュラン、ピレリ、ブリヂストン、ヨコハマ、グッドイヤーなどの国内外主要メーカーのタイヤを取り扱い、ヤナセ直営店、ヤナセネットワークディーラー、メルセデス・ベンツ日本などのメーカー及びディーラーへの卸売りを主に行っています。
冨田:ヤナセがタイヤを取り扱い始めたのは1974年のこと。はじめはコンチネンタルタイヤの総輸入販売元として事業をスタートし、2002年までそれを中心としたタイヤ販売を行っていました。2002年にコンチネンタルタイヤの輸入権を横浜ゴムに委譲したことを機に方向転換し、コンチネンタル以外にもミシュラン、ピレリ、ブリヂストン、ダンロップ、ヨコハマ、グッドイヤーなど輸入・国産を問わない主要メーカーのタイヤをマルチで取り扱うようになりました。ヤナセがタイヤを取り扱うようになって今年で40周年。形態は大きく変わりましたが、タイヤ販売はヤナセのアフターセールスを支える大きな柱の一つになっています。
浅谷:現在のおもな業務内容としては、各タイヤメーカーと交渉し金額と入荷量や入荷時期を決める仕入業務、対象拠点の要望に応じての卸売販売、そして全国のアドバイザーやセールスにタイヤの基礎知識や新商品の勉強会実施などです。
これらの業務を10名で行っています。
松沢:タイヤ営業部では夏タイヤが中心ですが、ほぼ20年冬期のスタッドレスタイヤを取り扱っており良く売れています。夏タイヤは年間を通じてコンスタントに需要がありますが、スタッドレスは10月から12月に一気に需要が増えます。商品の納品・卸・問い合わせなど全ての業務が集中しますから、この時期はとても忙しくなります。
冨田:そのスタッドレスタイヤが売れるのは冬ですが、実はタイヤメーカーに発注するのは毎年4月から5月の春先の時期なのです。まだその年の冬の天候がどうなるかもわからない時に、需要を先読みして発注しなければならないんです。この時に発注の数を間違えると、その年の冬にお客様にご迷惑をおかけしたり私たちの損失につながることもあるので、とても慎重に作業を行わなければなりません。
松沢:この作業が実に難しくて、早い時期に完売してしまいお客様や販売店に迷惑をかけてしまったり、逆に売れ残ってしまったり、なかなかパーフェクトにはいかないわけです。「今年は暖冬になりそうです」なんていわれていても、先シーズンの2月のように突然大雪が降って急にスタッドレスタイヤが売れたりすることもあります。スタッドレスタイヤはかなりの割合で天候に影響されるので、販売戦略を立てることが本当に難しいものです。